blog

michi suwa

静かに狂う眼差し

晴。

「もう起きようよー」という息子の呆れたような声に起こされた。重たい身体を持ち上げて、一緒に下階に降りた。先に息子に朝食を食べさせ、夫を待って一緒に朝食を食べた。洗濯物を干して、身支度をして、1人で家を出た。今日は川村記念美術館へ。夫と息子は、幼稚園の七夕祭りへ。

13時頃、美術館へ到着した。「静かに狂う眼差し」展を見る。林道郎さんによる構成のコレクション展だ。

展覧会はブラッサイが撮影したアトリエの中でモデルをデッサンするマティスの写真からスタートする。鏡面、画中画、ダブルイメージ、調度品などを手掛かりに、描かれたアトリエ(個室)に複雑に織り込まれる欲望の眼差しを追っていく。鑑賞者自身が取り込まれ、また射たれるように反射する表面への眼差し。静かに都市の表面に染み込んでいくグレー(痕跡)への眼差し。最後にたどり着く部屋では、その眼差しの先である結実を迎えたと言っていい傑作達が待ち構えていた。こんなコレクションが、あったのかという驚きとともに、既知の作家の意外な魅力にすっかり参ってしまった。リキテンスタインリチャード・ハミルトン、ジョセフ・コーネルなどは知ったつもりでいたのが恥ずかしいくらいだった。

初日の今日は、林さんによるギャラリートークを聞くという機会に恵まれた。鑑賞者の眼差しと林さんの言葉で、作品が静かにまた動き出す、そんな場面に立ち合っているようだった。対峙し、顧みて、切断し、繋げて、読み直すことが、こんなにも見る経験を揺さぶり見る興奮を湧き上がらせるものかと驚くと同時に、それが為されなくなったとき、私たちはいとも容易くその意味や価値を風化させてしまうのではないかと恐ろしくもなった。

帰りの電車で、展覧会に合わせて出版された、同タイトルの林さんの著書を読み始める。最初のブラッサイマティスの一枚の写真を巡って、どこまでも深く広く読み込んでいく。どこまでいくのだろうと驚きながらも、知りたい一心でこちらも読み進める。電車が東京駅に着くまで、この一枚の写真を巡っての考察は続いた。まだまだ、始まったばかり。読み進めるのが本当に楽しみだ。

家に帰ると、夫と息子が七夕祭りから帰ってきていた。息子が大きな声できらきら星と七夕の歌を歌っている動画を見せてもらう。スイカ割りにも初挑戦したらしい。息子は寝るまでずっと上機嫌だった。昼寝をたっぷりしたらしく、22時就寝。

休み

晴。

息子の目覚めの第一声は「海行かない。幼稚園休み」だった。幼稚園から、今日は磯遊びでは無く海に入るから、体調が少しでも不安定な場合は休ませるようにと連絡があったこともあり、休ませることにした。4月の幼稚園スタート以来、初めてのお休み。とはいえ、息子は思いの外元気。どう1日を過ごそうか。

外は暑い。ひとまずお風呂プール。息子のひざ下くらいの深さのぬるい風呂におもちゃを入れると、息子はその中で小一時間は遊ぶ。その間に家事と身支度を済ませて、風呂から出た息子に服を着せて、自転車で家を出た。

駅前のパン屋で昼食を済ませ、幼稚園の同級生のお母さんと、greenpoint books&thingsへ。閉店にともなう什器や雑貨のセール。文具とポルトガル製の四角いガラスの小皿を買った。同級生のお母さんとは店の前で別れ、息子と2人で森林公園へ。

木陰を辿ってゆっくり散歩した。息子は、こちらが働きかけ無くても自分で遊びを見つけられるようになっていた。手を貸さなくてはいけない場面も、随分と減った。考えながら身体を使って、たいていのことは自分で出来た。何をしていてもずっと話し続けている。あれこれ湧き出すままに話しているのだろう。息を止めて集中している時、放心している時、急に静かになる。人の居ない公園で、息子の話す言葉に答えながら、只その様子を見ていた。ひとしきり遊んで、レストハウスでアイスクリームを食べると、息子の方から「もう帰ろうか」と。いかにもな私の口真似が可笑しい。

16時頃帰宅し、2回目のお風呂プール。私も一緒にシャワーを浴びた。夕食を食べて、しばらく機嫌よく遊んでいたが、眠たくなり愚図り始める。寝ないと言い張り泣いた。落ち着くと絵本を持って二階に行くと言う。絵本2冊目で眠った。

20時就寝。

東へ西へ

晴。

今朝も息子の送りは夫。万事順調に行った。息子も泣くことなく登園。

帰って来た夫と一緒に家を出た。夫は会社へ。私は漢方医へ。東京の東の端にある医院に到着すると、午前診療の時間ギリギリだった。診察を終えて薬を受け取って、次は西の果ての美術館へ。会場下見と打ち合わせ。自宅、漢方医、美術館がそれぞれ約2時間弱の移動時間。なかなか大きな三角形。帰りには携帯の電池も切れて、少しずつ暗くなる南武線からの車窓をずっと眺めていた。

家に帰ると、息子は既に寝ていた。寝るまで咳をしていて、幼稚園で風邪をもらったかもしれないよ、と母。明日は幼稚園で海に行くことになっていたが、休ませた方がいいかもしれない。

晴。

今日から新しい試み。朝、私が息子を送って行こうとすると、自分の身支度や、家を出る前に片付けたいことなどでバタバタになってしまう。ゆっくり息子に構ってやる時間がなくなり愚図りの一因になっている。そこで、思い切って朝の送りを夫に任せることにした。言い出したのは夫だった。夫は、動かない身体で私が自転車に息子を乗せて送ることが不安だったようだ。弁当作りと朝食が済んだ後は、遊びながらゆっくり息子の身支度を一緒にして、自転車を玄関で見送る。息子は泣くことなく登園出来たようだった。夏休みまで、これを続けてみよう。

息子と夫を見送ってから家事を片付け。花の手入れ。先日、園舎でもらったユーカリの大きな枝を切り分けて、あちこちに生けた。爽やかな良い香り。くたびれてきた紫陽花はドライにした。洗濯物を干した後、お迎えまでアトリエで作業。

お迎え時、息子は元気に帰って来たが、珍しくすぐに帰りたがった。今日は園の先生と面談の約束があったため、何とか引き留めているうちに他の子たちと遊び始めた。面談は私からの質問が特になかったのですぐに終わった。16時まで公園で過ごし、スーパーに寄って帰宅。また自転車で就寝。16時半。明日は5時には起きるだろう。

明日の弁当のおかずを仕込み、1人で夕食を済ませて、アトリエで作業。私も早めに寝た。

マルシェ

晴のち嵐。

今朝は号泣の登園。お母さんと帰ると泣いた。他にもそういう子が何人か。今日は息子が好きなサウンドワークショップの日。活動もおそらく園舎。楽しめるといい。

そのまま、マママルシェというフリーマーケット出店のために会場へ向かう。通常はリサイクルの子ども服が中心のフリーマーケットだが、幼稚園の畑の野菜や花も販売した。お母さんばかりでわいわいと。息子のおやつ入れに小さい手さげ袋を買った。

お迎えに間に合うように会場を出る。息子は上機嫌で帰ってきた。おみやげの手さげ袋は気に入った様子。

息子を自転車に乗せて、婦人科へ。3ヶ月おきの子宮頚がんの検査。息子は自転車で寝てしまったが、病院を出る頃に起きた。寝るまでえらくご機嫌だった。

20時就寝。外は嵐。

夜、ドローイングがいまいちのらなかった。

タイトルなし

晴。

息子のお母さんじゃなきゃダメは引き続きで、バタバタの朝。ただ、登園時はランニングがなかったせいか、泣かずに行った。この蒸し暑さでは、園舎でプール以外に選択肢は無いだろう。

息子を送った後、貼り薬が欲しいのと、関節の炎症がどの程度か知りたくて、近所の整形外科へ。治療の経緯については色々言われる。仕方ない。漢方=民間療法、ネットの情報と信じて疑わないようだった。手と足のレントゲンの結果は左手首の骨の隙間が狭くなっている以外は、滑膜の炎症で留まっていた。貼り薬をもらって帰宅。

晴天を利用して洗濯3回と掃除をしてお迎えへ。息子をピックアップして園舎へ。明日のフリーマーケットのために野菜とハーブと花を収穫。5時過ぎに家に帰ると息子は間も無くして就寝。

夜は集中してアトリエで作業が出来た。

 

土日

週末のことをまとめて。

疲れと湿度で身体が動かず、厳しい2日間。

土曜日は昼すぎまで息子と家でダラダラと過ごす。駅前のパン屋に行きたいという息子のリクエストで自転車で出かけた。パン屋で息子はパンとジュース。私はパンとコーヒー。そのまま根岸森林公園へ。びっこでしか歩けない私よりも息子の方が歩くのは早い。息子が軽快に歩く背中を眺めながら公園を歩く。久しぶりに馬の博物館にも立ち寄った。

日曜日は昼前に幼稚園の園舎へ。自由参加の持ち寄り形式のピザパーティー。庭のピザ窯に火を入れて、生地から作ったピザとアルコールで夕方までわいわいと。子どもたちはプールさえあれば楽しい。

息子とべったりの2日間。息子もこれでもかと甘えて困らせた。身体がもっと自由に動かせたらと思う。