棒付き飴

雨。

朝方しっかり降っていた雨が次第に小雨になるものの、なかなかやまない。

目を覚ますと手が強く痛む。手全体が手袋をはめているように大きく腫れていた。

朝食後、夫が小用で外出するのに息子を連れて行ってくれると言う。思ってもみなかった有難い申し出。雨の中出かける2人を見送っていると、やることが次々と湧いてきて収拾がつかない。静かになった部屋でしばらく落ち着くのを待つ。とりあえず、差し迫った息子の入園のための準備をすることにした。保育園の一時保育を利用していたから、衣類の名前付けは大体済んでいると油断していたが、これから季節が変わることをすっかり見落としていた。サイズ90〜100の春から夏にかけての衣類にはほとんど名前が入っていなかった。名前付けが終わると次は弁当袋作り。布の裁断までは済んでいたから、あとは縫うだけだ。ミシンは息子が居るときは勿論動かせないし、寝た後も音が出るからと作業が進まなかった。夫の申し出に改めて感謝。

幼稚園の準備が大方済んで、掃除と夕食の仕込みをしてタイムアウト。2人が最寄り駅まで帰って来る時間に合わせて、自転車で家を出た。駅で息子だけピックアップして美容院へ。家で切らせてくれなくなってからは、定期的に美容院で切ってもらっている。帰り道、サッパリと頭がひとまわり小さくなった息子は、美容院でもらった棒付き飴をくわえて鼻歌を歌いながら歩いていた。

私が子供の頃も、理容室で散髪した後は必ず棒付き飴をもらっていた。ペコちゃんの絵が描かれたフィルムに包まれたフルーツ色の棒付き飴が、駄菓子屋によくある透明プラスチックの丸っこい立方体のケースに入っていて、理容室のおばさんが「何色がいいの」と言いながら持って来てくれた。私がひとつ選ぶと、大抵「もうひとつ持ってきな」と言って、今度は自分で選んで私に渡した。何故かしら、帰り道に開けるのは、決まっておばさんが選んだもうひとつの方だった。

広告を非表示にする